グリーフについての勉強会
大切な人を亡くした時におきるさまざまな心理的・身体的・社会的な反応をグリーフ（悲嘆）といいます。
悲嘆はさまざまな喪失体験から生じるもので、家族や友人といった人だけに限らず、その人にとって大切なものすべてにおよびます。グリーフを知ることは、ご自身を知り、いたわることにもつながります。一緒にグリーフを学んでみませんか？
下記、グリーフについての知識をまとめました。ぜひご覧いただき、グリーフについて学びを深めてみてください。
☘️ご遺族向け勉強会＆ワークショップ開催のお知らせ☘️
「大切な人を亡くして、これからどうなるんだろう…」
「気持ちが揺れ動いて、前に進めていない気がする」
「この悲しみは、いつまで続くの？」
そんな思いを抱えている方へ。
💡 グリーフワークショップでは…
✅ グリーフ（喪失の悲しみ）について学び、自分の気持ちを整理する時間をつくります
✅ ワークを通じて、今の気持ちを見つめ直し、これからの自分と向き合うきっかけに
✅ 「ただ話を聞くだけ」ではなく、「自分と向き合う時間」として参加いただけます
📆 開催スケジュール（オンライン開催・Zoom）
▶ 第1回：3月22日（土） 13:00～14:30「グリーフとは？今の自分を知る」
▶ 第2回：4月26日（土） 13:00～14:30「喪失のプロセスと向き合う」
▶ 第3回：5月17日（土） 13:00～14:30「これからの自分を考える」
💰 参加費：1回 5,000円 / 3回セット 12,000円
👥 定員：5名（少人数制）
📝 お申し込み方法
① 下記申し込み・問い合わせボタンから「勉強会参加希望」「問い合わせ」とメッセージを送る
② 受付後、申し込みフォームをお送りします
③ お支払い完了で申し込み確定（銀行振込 / クレジット）
🌿 こんな方におすすめです
✔ グリーフについて学びたい方
✔ 一人で抱え込んでしまい、気持ちの整理ができない方
✔ 「悲しみを乗り越える」のではなく、「共に生きる」ことを考えたい方
📌 「申し込むか迷っている…」という方も、お気軽にご相談ください。
集団はちょっと。。。、ひとりでじっくり向き合いたい、という方には個人ワークで対応いたします。
受講方法についてもお気軽にお問合せください。
❖喪失体験とは
グリーフ（悲嘆）は、さまざまな「喪失体験」から生じます。「人」だけに限らず、その人にとって大切な「もの」すべてにおよぶのです。
大切な人・もの・コトを失うこと、喪失体験としては次のようなものが挙げられます。
- 大切な人の喪失：死別、離別など
- 所有物の喪失：財産、仕事、ペット、思い出など
- 環境の喪失：転居、転勤、転校など
- 役割の喪失：子どもの自立、定年退職など
- 自尊心の喪失：名誉、プライド、プライバシーが保たれないことなど
- 身体の喪失：病気、ケガ、老化現象など
- 社会生活の安全：安全の喪失
❖死別に対する悲嘆反応
絶望や悲しみ、怒りや寂しさなど、悲嘆反応はさまざまあります。ここでは特に、「死別」による悲嘆反応をお伝えします。
大切な人を亡くしたとき、悲嘆反応がでることは誰しも経験する正常な反応です。しかしその表れ方や感じ方、頻度や強弱は人によってさまざまです。ここでは一般的な症状をご覧いただきます。
✾ 抑うつ、絶望、悲しみ、落胆、苦悩
✾ 不安、恐怖、畏怖
✾ 罪悪感、罪責感、自責の念
✾ 怒り、敵意、いらだち
✾ 無快感（楽しみの喪失）
✾ 孤独感、思慕、切望、あこがれ
✾ ショック、無感覚
✾ 故人を想うことへの没頭
✾ 侵入的反すう
✾ 故人への現存感
✾ 抑圧、否認
✾ 自尊心の低下
✾ 自己非難
✾ 無力感、絶望感
✾ 非現実感
✾ 記憶力や集中力の低下
✾ 動揺、緊張、落ち着かない
✾ 疲労
✾ 過活動
✾ 探索行動
✾ 涙を流す、むせび泣く、泣き叫ぶ
✾ 社会的引きこもり
✾ 食欲不振
✾ 睡眠障害
✾ 活力の喪失、消耗
✾ 身体愁訴
✾ 故人の症状に類似した身体愁訴
✾ 免疫機能や内分泌機能の変化
✾ 病気への罹りやすさ
❖複雑化する悲嘆
死別後におこる悲嘆反応は誰しもが経験する正常な反応であるとお伝えしました。
しかし、上記のような通常の悲嘆反応ではなく、持続期間や悲嘆の開始時期、反応の強さが異なる場合など複雑化することがあります。
悲嘆反応が複雑化すると、精神的だけではなく身体的不調もさらに強めることになり、日常生活に支障をきたします。複雑な悲嘆は大きくわけて次の4つに分類されます。
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＜長期化した悲嘆＞ 悲嘆の持続が極端に長く、回復の兆しが見られない場合。自分でも悲嘆に終わりがないと感じていて、日常生活への支障も大きくでている状態。また亡き人への愛憎の入り混じった感情があり、罪責感や怒りの感情が強い傾向にあります。
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＜遅延化した悲嘆＞ 死別後は悲嘆が現れず、数ヶ月、数年後になって悲嘆が遅れて現れる場合。死別直後は悲嘆を感じる余裕が持てず、表面的にはうまく適応しているように見えてしまいます。時間が経ち、離婚や子どもの自立、本人の病気や他の死別など人生の転換期などをきっかけに悲しみなどが突如現れてきます。 |
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＜過剰な悲嘆＞ 過剰に強い悲嘆反応を示す場合。悲嘆反応だと意識していても、その症状や行動が自分でコントロールできない状態。時としてうつ病やパニック発作、アルコールや薬物などの物質乱用、躁的な行動、PTSD（外傷後ストレス障害）などを伴うこともあります。 |
＜抑圧された悲嘆＞ 悲嘆の感情を出さず、表面的にはうまく適応しているように見える。他者に助けを求めないことや、他の人が死別について話そうとするのを極端に嫌がったりやめさせようとする傾向が見られます。また亡き人を思い出してしまうと過剰に不安になり、怒りや緊張が強まる時もあります。 |
❖複雑な悲嘆を発見する手がかり
複雑な悲嘆は、ご自身の性格、亡くなった人の死因や状況、社会的なサポートの有無などの影響などさまざまな影響が考えられます。
悲嘆反応は抑うつ症状が伴うことが非常に多く、他の精神疾患が続発、合併症状として現れることがあります。
＜悲嘆が現在まで解決されていない＞
死別から数年を経過しても泣きたくなる気持ちが絶えず生じ、悲嘆の感情の変化が見られない場合に当てはまります。
「記念日反応」や「命日反応」などでは、特別な日や時期になると誰でも悲しみが強まりますが、＜悲嘆が現在まで解決されていない＞というのは、年数を経過してもまったく和らぐことがない場合などが挙げられます。
＜ささいな出来事に過剰な悲嘆が生じる＞
自分が経験した死別と類似の体験を見聞きした時などに、急に混乱した反応を示す場合が該当します。
＜亡き人へのこだわりが非常に強い＞
亡き人の部屋を何年過ぎてもそのままにしていたり、生前の亡き人と同じ身体症状を持つこと、亡き人の誕生日などに治療に行くなど、亡き人へのこだわりが非常に強いケースです。亡き人と無理な同一化を図ろうとする場合が当てはまります。
＜亡き人へ過剰に距離を取ろうとする＞
亡き人の法事や友人など、亡き人に関係する活動を急に避ける場合をさします。
＜その他の精神症状が併発する＞
うつ傾向、罪悪感、自尊心の低下、自傷行為など自己破壊的な行動が見られる場合もあります。
❖グリーフを学ぶ意義
大切な人を亡くして、グリーフによって起こるさまざまな変化。一般的な症状や悲嘆の期間など、グリーフの知識をもつことは、ご自身にとって、ご家族にとってもとても意味のあることです。
悲嘆は悲しみの表れであり、それを自分で整理したり、受け止めてくれる人に心の解放ができればよいのです。信頼できるところで、信頼できる人に、ありのままのご自身を伝えてみてください。グリーフへのケアができると、ご自分の混乱に整理がつきます。亡くなった人の生きた意味、ご自身が生きる意味などに気づくことができます。人生を振り返り、また前をみるきっかけになります。
まだ日本ではグリーフケアが十分に研究されていません。心理的にも、社会的にも、遺族の皆様がつらい思いを少しでも軽減できるように、孤立しないようにサポートが求められるところです。当法人グリーフサポートescortでは、大切な人を亡くした方へのサポートを行っています。